宇霊羅が見下ろす岩泉のふるさとで、人が織りなす山・里・海のいとなみ。
そのすべての源は、森にありました。
あらゆる恵みをもたらしてくれる、色とりどりの広葉樹の森、
人のなりわいの跡が見える、青き針葉樹の森。
岩泉の森はまるで交響曲のように、四季を通して様々な音色を奏でます。
森の恵みが、これからも、あしたも、続くように。
岩泉町は、世界基準のFSC 森林認証をいかして、
持続可能な森づくりにチャレンジします。
岩泉町の森林は森林面積92,185ha、町の総面積に占める森林率は93%を誇ります。わたしたちの生活に欠かせない空気や水をはぐくみ、木材やきのこ、木の実といった恵みを与えてくれるこの森林を持続的に管理していくことは、岩泉町にくらす人にとって欠かせない営みです。また町内には、林業者や木材を利用する製材業等の事業者が多くあり、基幹産業としての林業を活性化させていくことは地域経済に大きく貢献します。
FSCR(Forest Stewardship CouncilR:森林管理協議会)は、ドイツに本部を置く国際機関であり「環境」「社会」「経済」の3つの視点で適切な森林管理を行っている森林を、世界共通のルールで認証しています。
2003年9月、岩泉町の森林はこのFSC森林認証を日本で13番目に取得しました。これを機に、町では森林管理の見直しや、認証林から産出された木材の積極的なPRに取り組んでいます。日本にある森林のうちFSC認証林は1.5%に留まっており、岩泉の森林はその貴重な森林のひとつといえます。
岩泉町では岩泉町役場が取りまとめたグループとしての認証を受けていますが、その面積は岩泉町の森林面積(民有林)の10%に留まっています。日本国内に数少ない、広葉樹の認証林を持つこの森林をいかし、安定的に認証材の供給を行うためにも、認証林の拡大が必要です。
サイト名 | 面積 | 取得 |
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岩泉町有林 | 3667.07ha | 2003/9/9 |
大川財産区有林 | 1434.20ha | 2003/9/9 |
(株)吉本 社有林 | 424.81ha | 2003/9/9 |
新北菱林産(株) 社有林 | 168.64ha | 2007/7/19 |
三菱製紙(株) 社有林 | 400.89ha | 2007/7/19 |
岩泉町森林組合 | 240.36ha | 2010/8/6 |
龍泉洞をイメージしたブルーを基調に、岩泉を代表するモチーフが盛り込まれています。松茸や短角牛といった特産品、岩泉の森に生息するイヌワシ、町木であるアカマツ、そして森を彩る多様な樹種(ナラ、トチ、スギ、カラマツ)。龍は龍泉洞にまつわる伝説とともに、太平洋へと注ぐ川の流れも表しています。
岩泉町の森林は、尾根にアカマツ、沢沿いにスギの植林地があり、中腹にはカラマツ人工林、ナラ林、さまざまな広葉樹からなる天然林がモザイク状に分布しています。適地適木と多様性をキーワードに、それぞれの森の目指すべき姿に向けた管理を行います。
木材とマツタケの生産のため、生育に適した尾根部への面積縮小をめざします。具体的には状況に応じて(1)用材用優良林の整備、(2)マツタケ林の整備、(3)不成績造林地の皆伐と天然林への誘導を行います。
戦後造林された針葉樹人工林は、間伐を推進し、建築・土木・合板・集成材用材の生産に適した50年サイクルの人工林として育成を継続します。
ひとつの森の中に、用材や薪炭材など多様な用途が共存する、複合的育林をめざします。母樹を残した天然更新による家具用材などの大径木生産、そして30年サイクルのぼう芽更新による薪炭用材やパルプ・チップ用材の生産を行います。
製紙用チップ用材などの生産目的で小面積
皆伐を行います。
岩泉の豊かな水を育む渓畔林は、水質保全、
土砂流出防止のため保全します。
投票で選ばれた、岩泉を代表する17種類の木で、多様性に富んだ森づくりを示しています。3種の針葉樹(アカマツ、カラマツ、スギ)と14種の広葉樹(ミズナラ、コナラ、トチノキ、ホウノキ、ブナ、セン(ハリギリ)、クリ、オニグルミ、サワグルミ、シナノキ(マダ)、ケヤキ、オノオレカンバ(アンツァ)、ヤマザクラ、エンジュ)。あなたはいくつ知っていますか?
岩泉町産の認証材は、町内で、全国で、さまざまな形で利用されています。これからも、利用の拡大をめざします。
そして世界へ・・・。
森の恵みから広がる、岩泉の人たちのさまざまな営みを表しています。木材は家や家具、燃料に。はせ(稲架)などの農業資材としても利用されます。森の養分は地域の田畑を潤し、最後は海に流れ込み、海藻や魚を育てます。林業、農業、漁業を中心とした、私たちの暮らし。そのすべての源は、森にありました。
「岩泉の明日の林業をつくる会」は、岩泉町の林業、木材、建築、行政関係者を中心としたメンバーが集まり、明日の森づくりに取り組んでいます。同じ森の恩恵(めぐみ)に生かされている仲間として、ともに連携し、林業木材業の活性化に取り組んでいます。