森林コンダクター月報(2018年4月版)

 昨年度から続く取組みがほとんどですが・・・新年度を迎えた森林コンダクターの動きをご報告します。

新年度開始
 新年度の始まり、町長室にて委嘱状交付式がありました。町役場職員の皆さんの辞令交付式のあと、われわれ森林コンダクターも復興支援員、地域おこし協力隊としての委嘱状交付式に出席しました。(株)フォレストマーケティングの設立総会以来?のスーツ着用でした。
 また年度初めの恒例行事、役場農林水産課の歓送迎会に参加しました。つくる会事務局・林業水産室からは主に森林関係を担当していた金澤さんが異動となりました。他部署からの異動や新任者の方々が加わり、新たなスタートとなります。

情報誌第5号完成
 3月に中面記事向けの取材を西倉工務店さんと佐藤工務店さんでさせていただき、その後記事作成・校正を経て、岩泉の森の今を伝える情報誌「IWAIZUMI FOREST vol.5」が完成しました。町内メンバーの皆さまには直接配布…したいところでしたが、役場から遠方にお住いの一部の町内メンバーの方々には郵送にて(スイマセン…)、オフィシャルパートナー(町外会員)とサポーター会員の皆さまにも郵送にてお配りしました。同時に、今年度のつくる会会員継続のお願いもさせていただきました。

(岩泉の森の今を伝える情報誌「IWAIZUMI FOREST vol.5」)

南部箒の柄納品
 3月に材料であるサワグルミの製材・加工が開始されていた南部箒の「柄」が完成しました。品質チェックや本数確認等の検品を行い、無事納品することができました。納品先の九戸村・高倉工芸様では、社長自ら時間をかけてその場で品質の確認をしてくださいました。
 現在、高倉工芸様ではさらなる事業展開や人材募集も検討中とのこと。ホウキモロコシの栽培から箒の製作、そして経営まで含めてトータルで扱うことのできる人材の育成をしたいというお話でした。

(検品が終了・納品待ちの南部箒の「柄」)

FSC教材加工取材
 3月の月報でもご紹介しました中学校技術家庭教材ですが、FSC認証のクリ、カバ、セン、ホウ、ハンノキ、カラマツの6樹種の教材が仕上りました。現在4校への納品を予定していますが、まずはそのうち2校分の検品、梱包、納品が完了しました。FSC認証材を使って持続可能な開発について理解を深めてもらうことはもちろん、色味や木目、重さ、硬さ、手触りや香りなど比べてみると確かに違う…といった、木のおもしろさについて生徒の皆さんに体験してもらえる機会になることも期待しつつ。
残り2校への納品、FSCや岩泉の林業についての補足教材の提供など、まだまだ継続中の取組みです。

(FSC教材の加工と梱包の様子)

山火事防止宣伝パレード
 毎年恒例、山火事防止宣伝パレードのお手伝い。広い岩泉町ですので、4コースに分かれてのパレードでした。有芸・小本方面、安家方面、大川・釜津田方面、小川方面に分かれ、消防署に加え森林関係事業者や消防団のポンプ車など、町役場の車を先頭に5~6台の車列で山火事防止を呼びかけました。

((左)出発式、(右)パレード終了)
 が…、4月21日岩泉町内で山火事が発生。消防団所属の森林コンダクターもおり、最前線ではないものの屯所待機やヘリコプターへの給水補助の役割を担いました。消防団員の中にはジェットシューターを担いで山を登り最前線で消火活動にあたった方々もおり、22日昼前には鎮圧宣言、24日には鎮火宣言ということで治まりました。くれぐれも山火事注意です。

(空中消火用バケツへの給水所・ヘリポートとなった小学校)

樹液プロジェクト
 3月に町有林で採取したウリハダカエデの樹液ですが、原液、煮沸濃縮したもの、さらに濃縮したシロップなどを持参しての営業活動を行いました。まだまだ大量生産・安定供給には至らないまでも、個人店舗などで春先の期間限定商品としての利用を検討していただきました。樹液入りのゼリーや水まんじゅう、パンなど試作品の製作もしていただくことができました。来春の採取方法検討や採取体験ツアー、また別の樹種での検討などさらなる展開が期待できそうです。

(樹液入り商品試作品を試食)

その他
 打合せや事務作業など地味な仕事もしつつ、(株)岩泉フォレストマーケティングのECサイトでは燻製プロジェクトなど、新しい取り組みも紹介しています。
 また、4月にあった嬉しいお知らせです。岩泉町産材で作られたクリのフローリングを利用した、まりひろ建築士事務所様のリノベーションプロジェクトが無事竣工を迎えたとの情報がありました。つくる会会員・清水畑商事(有)さんの倉庫で眠っていた(大切に保管されていた…)製品と県外の建築士さんを繋いだ森林コンダクターの活躍が実を結んだ事例といえそうです。

(まりひろ建築士事務所様のリノベーション物件)