森林コンダクター月報(2018年10月版)

第3回勉強会

 今年度つくる会第3回勉強会には、講師としてトレイルビルダーの浦島悠太氏(TRAIL LAB代表)をお招きし、「新しい森林の活用 森+トレイル」についてご講演いただきました。
 
 『トレイル』ということば自体は、舗装されていない山野を走る「トレイルランニング」などから聞いたことがある方も多いかと思いますが、『トレイルビルダー』とは…?「トレイル “道” + ビルダー “作る人”」で、トレイルランニングを含むハイキングトレイルやマウンテンバイクトレイルを作る職人のことを意味します。そして今回の講師・浦島氏は、海外のトレイルビルド会社に勤務し、トレイルプロジェクトに携わった経験を持つ現在のところ日本で唯一のトレイルビルダーです。

(TRAIL LAB代表 浦島悠太氏)
 
 今回の講演、林業や木材業に直接関わる話ではありませんが、森林の活用方法の参考に…ということで。講師自らが携わったオーストラリアでのプロジェクトなどを例に、バイクパークの建設とともに利用者数や経済効果など含めてご紹介いただきました。そして、バイクパーク運営をビジネスとして成功するには何が必要か、といったことなどお話いただきました。
 また、サイクリングブームにある日本では舗装路でのサイクリングルートは拡大中ですが、森林とトレイルの活用が未だできていない…と。そんななか岩泉の森で、林業と共存するバイクパーク実現の可能性についてもご提案いただきました。

(平成30年度 つくる会第3回勉強会)
 
 岩泉の豊富な広葉樹を伐採後、木を育てながら次の伐期までどのように山林を活用し、利益を得るか…実現するには大がかりなプロジェクトとなりそうですが、森林資源活用の手がかりとなるたいへん興味深いお話でした。
 
 

FSC® COC認証取得審査

 遂にこの日を迎えました!! (株)岩泉フォレストマーケティングが、FSC® COC認証取得審査を受けました。
 FSC®森林認証拡大プロジェクトとして始まった岩泉の明日の林業をつくる会、(株)岩泉フォレストマーケティングの設立ですが、ついにFSC® COC認証取得審査を受けることになりました。COC(Chain of Custody)認証とは、適切に管理された森林から生産された原材料を使い、製品の製造・加工・流通すべてにおいて、認証を受けた製品とその他の製品が混在しないよう適切に扱っている業者を認証する制度です。

(オープニングミーティング)
 
 (株)岩泉フォレストマーケティングがCOC認証を取得することで、岩泉町有林などFSC®認証林から出材された丸太、それらを製材・乾燥・加工した板、建築材、家具、木工品、スモークチップなど…岩泉町産材を使ったFSC®認証製品を取り扱うことができるようになります。といっても、森林コンダクターが自らできるのはちょっとした木材加工のみですので、多くの製品が町内事業者をはじめとした外部委託先にお願いするものになります。

(外部委託先の現場審査)
 
 ということで審査内容は、管理マニュアル等の書類審査のほか、外部委託先の中から町内3事業者の現地審査が行われました。今後、認証機関による認証承認の審議が行われるため、実際に認証取得ができるまでまだ少し時間がかかりますが、製品によっては日本初!あるいは世界初!!となる商品が販売されるかもしれません…。

(審査員まとめを待機中)
 
 

JR商談会

 龍泉洞温泉ホテルにてJRグループ岩泉町商談会が開催され、(株)岩泉フォレストマーケティングとして出展しました。展示した商品は、木炭、ウッドプランク、スモークチップ、岩泉17樹ポストカード、タッチウッドなど…。

((株)岩泉フォレストマーケティング展示ブース)
 
 9月に行なったチーズとタコの燻製実験は、この出展向け…でしたが、検討の結果、小本産のタコの燻製のみ試食提供となりました。またスモークチップは、燻製1回分程度の少量を小さなリーフレットとともにカプセルに入れた「ガシャ燻」としても展示・サンプル配布しました。リーフレット記載の燻製レシピには何種類かあり、何が当たるかはお楽しみ…という新商品の試作です。

(展示商品)
 
 今回の商談会には、岩泉町内の企業ほか、宮古市、田野畑村、譜代村からの参加もありました。JRグループ企業様からも興味を示していただき、さらには水産加工食品を扱う出展企業様からもスモークチップを試してみたいというお話もあり、沿岸地域でとれる魚介類を岩泉のチップで燻製…など沿岸広域連携に発展の可能性も。今後の展開が楽しみです。

(岩泉町外企業の出展もありました)
 
 

ジャパンホームショー出展準備

 11月20日㈫~22日㈭に東京ビッグサイトにて開催される第40回ジャパンホームショー(JapanHome & Building Show 2018)に「岩泉の明日の林業をつくる会」として出展します。住まいに関する建材・部材・設備・サービスが一堂に会する日本最大級の専門展示会ということで、「国産広葉樹×FSC」による地域ブランドをアピールします。

(Skypeで千葉とやりとり(デザインや加工の調整中))
 
 林野庁補助事業(新たな生産・加工・流通体制づくり推進対策事業森林認証材の需要拡大)を活用し、地域内の水平連携を促し、地域ブランドの構築とFSC森林認証の需要拡大を目的とした出展で、千葉大学工学部樋口孝之研究室との共同研究でもあります。この共同研究IWAIZUMI WOOD DESIGN PROJECTでは、樋口先生指導のもと、研究室所属の大学院生や学部生の皆さんのアイデア提案してもらい、岩泉町産材を利用して町内で製品を加工・製作するという取組みです。出されたアイデアをもとに、つくる会会員をはじめとした岩泉町内の事業者で実際に加工・製作するための調整を森林コンダクターが行っています。展示ブースの装飾や商品・作品紹介の仕掛けについても検討中です。

(職人さんにアイデアが実現可能か相談中)
 
 岩泉の明日の林業をつくる会の取組み、(株)岩泉フォレストマーケティングの商品、そして千葉大学との共同研究から生み出される作品たちがどのように展示されるか…。
 来場事前登録すると入場料3,000円が無料になるそうです…皆さまのご来場をお待ちしております。
 
 

富士大学学園祭出店

 富士大学学園祭が13日、14日に開催され、経済学部遠藤元治先生のご協力のもと岩泉ブースを出店していただき、その見学とお手伝いに伺いました。(株)岩泉産業開発さんや岩泉乳業(株)さんの商品とともに、IWAIZUMI Forestマーク入りポロシャツやスモークチップなど (株)岩泉フォレストマーケティングの商品を販売してもらいました。

(岩泉ブース出店)
 
 ブース担当の学生の皆さんにはポロシャツ着用で岩泉町の紹介やFSC®森林認証についての紹介もしていただき、「あしたの恵み、岩泉。」のタペストリーはキャンパス正門前に掲示していただくなど、学生の皆さんや来場者の皆さまに岩泉を十二分にアピールをしてもらうことができました。

(経済学部教授・遠藤元治先生)