【岩泉の森の人にきく】岩泉純木家具・工藤林太郎さん

暮らしに寄り添う家具づくり
“若き2人の挑戦”

Part2:岩泉純木家具有限会社 工藤 林太郎 氏

 

―岩泉純木家具について、教えてください。

昭和50年設立で、祖父の代からあった工藤製材から社長が後を継ぎ創業しました。製材から家具作りへの転換期でもありました。製材を行っていた時は注文主の意向に従った製材だったため、太い木でも小さく挽かざるを得ないという状況でした。父はそこに疑問を感じ「大きい木は大きく使いたい」という強い思いがあり家具づくりをはじめました。
自分は、約10年前に岩泉に戻ってきました。現在の中心となる仕事は、経理、事務、仕事の割り振り、雑務その他、たまに図面描き。家具そのものは職人さんが造っているので、それ以外全部ですね。楽しい作業は商品の写真撮影。夜10~11時に一人でニヤニヤしながら撮影しています。


(創業から大切に使い続けている製材機)

 

―今回ちゃぶ台の仕上げをお願いしていますが、集成材を扱うことにどう感じていますか?

単一樹種ではなく、混合にしたことが良かったと感じています。混合だと柾目、板目の見え方がかえって目立たなくなる、単一の集成材ならもっと分別が必要になりますが、混合だと木目のバリエーションが映えます。今回のちゃぶ台製作により新しいことをまず「やってみた」「挑戦した」というスタートを切れたので、ステップを踏みながらきちんと商売にしていきたいですね。稼ぎに繋がるロードマップ作りをして次の企画へ、という道のりが見えてくるといいと思います。

 

―今後の取組について教えて下さい。

今回の岩泉の取り組みは単年度ではなく、百年先を見据えた森づくりということで、5、10年後でも良いので継続しながら一段一段でも上っていきたいですね。
ちゃぶ台同様、試作については今後も様々なものを作ってみて、つくる会の川下の立場での役目をできる範囲で担っていきたいですね。また、伐採現場に興味を持つお客さんもいるので、山の現場にも連れていくようなツアー、イベントの企画、相談を受けていきたいです。家具のみだけでなく、山・材木とのつながりに関して本格的に動きたいです。
最近は町産材が使えそうな気配を感じています。今までは径級的に扱えなかったり、曲がりなどがあり厳しかったけれど、コースターのような小物にも挑戦していく方向も考えていて、家具の天板など木目重視から木目に頼らないデザインにすることで町産材の状況に対応し始めています。


(ちゃぶ台完成の記念写真)

 

―好きな岩泉の樹は何ですか?

クリです。ある程度地の色があり、木目がかしこまっていなく力強いところが好きです。また鉄を置くと黒くなるなど、自己主張もします。クリは実も食べられるし、名刺にもクリの葉のイラストを入れています。
製品にはセンを使うことが多いですが、センは白すぎて汚れが目立ったり、青い色が入ったりしますので扱いにくい材ですね。あとは、カエデも好きです。漆を塗ってカチッと仕上げると、鉱物っぽい硬さを表現できるのが好きです。

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会社名 : 岩泉純木家具 有限会社
所在地 : 〒027-0501 岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字片畑7
事業概要 : 家具製造販売