森林コンダクター月報(2018年8月版)

 平成28年台風10号災害から丸2年となる8月、まだまだ復旧・復興の真っ最中ですが、取り戻しつつある町の日常にも触れる森林コンダクターの8月の活動をご報告します。

(大規模崩落し、仮橋を利用していた国道455号の一部区間が間もなく復旧・開通予定→9/7開通しました)
 
 

先進地視察

 8月上旬に行なった先進地視察。今年の出張先は長野県、地元信州の木を使う社会を実現するために集まった「ソマミチ」のメンバー事業者や地域産材の施工事例物件を訪問しました。また、同じく長野県佐久穂町にあるつくる会会員(株)吉本さんの本社を訪問しました。詳細は掲載済みのブログ記事・先進地視察(2018)にて。

(ソマミチのシェアフォレスト((有)田中製材所様所有林うちだの森)にて)
 
 

小本浜定期市

 6月にはウッドプランクを使って出店した浜の駅おもと愛土館の小本浜定期市ですが、8月も最終日曜日に第5回が開催されました。今回(株)岩泉フォレストマーケティングとしての出店はありませんでしたが、会場の設営・片付けやゆでたこ販売のお手伝い。

(手早く会場設営を終え開始時間まで待機中(左)、生たこを大鍋へ(右))
 
 ゆでたこは、ぬめりを取る下処理がされた小本産の生たこを大鍋でゆで上げる実演販売。茹ですぎると硬くなってしまうので火加減と茹で時間がポイントだとか…。まっ赤に色づいた、茹でたてのたこの足と頭を販売しました。
 毎月最終日曜日に開催される小本浜定期市ですが、浜の駅おもと愛土館のオープンが昨年9月3日ということで、次回9月30日の小本浜定期市は浜の駅おもと愛土館1周年記念で盛り上がること間違いなしです。

(生たこ(左)、重さ別に値段をつけて販売中(右))
 
 

大川七滝まつり

 小本浜定期市終了後、てーだぶ(いすゞTW)を3台展示しているとのことで同日に開催中の大川七滝まつりに急行。まつりの企画とは別に…個人的に現役てーだぶ乗りの方々からお話を伺いながら解説付きでてーだぶ見学。

(てーだぶ乗車体験実施中)
 
 ボンネットトラックてーたぶ、重たい金属のかたまりかと思いきや、荷台を構成する主なパーツは…木でした。しかも、自ら伐採した原木を町内の製材所で製材して自前で修理したというお話。車両総重量の制限を超えないようにできるだけたくさんの原木を運搬するため、パーツに木を利用することでトラック自体の車両重量を軽くしているとか。荷台の横根太(荷台の下を支える横木)にはクリ、床板にはナラ、あおりにはカラマツ、丸太を載せるレール部分にはオノオレカンバ…など、まさに適材適所で木材が利用されています。

(大川・釜津田地区から3台のてーだぶが集合)
 
ということで、七滝まつりのご報告ではなく、てーだぶ小話でした…。
 
 

FSC認証材を使った中学校技術家庭教材

 先進地視察で長野出張中の8月上旬に、盛岡にて技術教育研究会の第51回全国大会が開催されました。残念ながら参加・立ち会いはできませんでしたが、FSC教材発案者の先生に研究発表とブース出展をしていただきました。参加者の先生方からも好評だったとのことで、お問い合わせもいただいております。展示の様子は、技術教育研究会Facebookページにも掲載されています。
 また6月に取材を受け、FSC教材使用中の授業風景を撮影してもらった「いわてグラフ」8月号が発行されました。岩手県~全国各地の中学校でFSC教材が使われる日も近いかもしれません…。
なお、板のサイズや枚数を変えたセットのラインナップも検討中です。

(ハネ材で作ったオニグルミ(左)、カラマツ(右)の試作品を持参して地元・岩泉中学校にもおすすめしました)
 
 

岩泉型インターンシップ

 今年で3回目となる岩泉型インターンシップですが、林業コースには2名の学生さんが参加してくれました。7泊8日の全日程のうち職業体験は5日間、(株)西倉工務店さん、(有)日本木材工業さん、岩泉町森林組合さん、清水畑商事(有)さんに日替わりで受入れをお願いしており、最終日は(株)岩泉フォレストマーケティングが受入れ事業者となりました。

((株)岩泉フォレストマーケティングの事業・商品を紹介中)
 
 つくる会の取組みや2年前の台風10号被害の様子、そして(株)岩泉フォレストマーケティング設立の経緯、現在の事業や商品についてなど説明しました。その後、つくる会会員事業所や現場の見学を行う予定でしたが、天候不良のため予定変更。歴史民俗資料館にて林業を中心に岩泉町の歴史に触れてもらい、オンラインショップで販売予定のタッチウッドを製作する木工体験などをしてもらいました。また、岩泉の暮らしに触れる?…ということで、FSC認証炭で焼いたジビエの試食体験も…。

(歴史民俗資料館にて林業の歴史を勉強中)
 
 合同報告会では、商売としての林業を意識したという点や、素材生産・製材業・工務店といった川上から川下までが一緒にチームでものづくりをすることの重要性への気づきなど、まさに岩泉での取組みの大事な部分に触れる発表をしてくれました。

(合同報告会)
 

(7泊8日の岩泉型インターンシップが無事終了)
 
インターンシップ生の皆さんの今後のご活躍を期待しております。