森林コンダクター月報(2018年6月版)

平成30年度 つくる会総会&第1回勉強会

 会員制になり3年目を迎えた「岩泉の明日の林業をつくる会」の平成30年度総会が開催されました。樹液プロジェクトや林業カフェなど新しい試みも含めた昨年度の報告と、今年度に関する議案は無事承認されました。その他、会員の皆さまから町の取組みに対するご意見・要望などもあり、今後の取組みの発展が期待される総会となりました。

(平成30年度 岩泉の明日の林業をつくる会総会)
 
 引き続き開かれた平成30年度第1回勉強会では、ゲストとして山形県金山町の暮らし考房代表・栗田和則様にお越しいただきました。金山町杉沢での暮らしや根底にある思い、そして木材としてだけではない森林資源の活用についてのお話を伺うことができました。特に樹液の活用については、すでに商品化・販売しているということで、大変興味深く参考になるお話ばかりでした。

(平成30年度 つくる会第1回勉強会)
 

(暮らし考房 代表 栗田和則様)
 
 事務局からは(株)岩泉フォレストマーケティングの活動やオフィシャルグッズのご紹介ほか、今年度実施予定の先進地視察、林野庁補助事業の概要について報告しました。また、林野庁補助事業にて共同研究を行う千葉大学の大学院生・小玉侑暉さんが、今回の勉強会に合わせて来町、昨年度つくる会会員を中心に行った調査をまとめた卒業研究の報告をしてくださいました。

(千葉大学大学院生 小玉侑暉さん)
 

オフィシャルグッズ

 試作品の製作と再検討を行ってきたIWAIZUMI Forestのマーク入りポロシャツですが、ついに受注を開始しました。ポロシャツ本体の色は黒と白の2色、マークは第一楽章(青:森の生き物)、第二楽章(緑:岩泉17樹)、第三楽章(赤:人の営み)の3種類、ということで合計6種類が販売されます。今年度第1回の勉強会にて、つくる会会員の皆さまにご案内、また町役場各部署にお勧めしてまわりました。その他、オンラインショップでも販売予定です。

(ポロシャツ販売広告の一部)
 

スモークチップ&ウッドプランク

 “岩泉の広葉樹を“食”に絡める”~ということで、新商品スモークチップ(燻製チップ)が(株)岩泉フォレストマーケティングのオンラインショップ「IWAIZUMI Forest online」にて販売開始となりました。ラインナップは、サクラ、ナラ、ブレンドの3種類、燻製する食材やお好みに合わせてどうぞ。この商品、パッケージデザインやオンラインショップ掲載の写真、紹介記事…など、すべて森林コンダクター自らで行っています。

(スモークチップ3種類のパッケージ)
 

 そして…ウッドプランクも販売開始?“森と海を食べる”~とふれ込んで、毎月最終日曜日に浜の駅・愛土館で開催される小本浜定期市にウッドプランクを使って出店しました。岩泉町産材のクルミとカラマツで塩鯖を軽く燻製して試食提供。こちらもBBQシーズンに向けて販売検討中です。

(浜の駅・愛土館で開催された小本浜定期市に出店)
 

(ウッドプランクで燻製した塩鯖)
 

FSC更新審査

 2003年に岩泉町が町としてグループ認証を取得し、5年に一度の更新ということで3回目の更新審査でした。
役場の会議室にて書類審査、町有林のほか、大川財産区有林、(株)吉本岩泉事業所さんの社有林、新北菱林産㈱岩泉工場(三菱製紙)さんの社有林などで現地審査が行われました。

(会議室にて書類審査)
 

 審査結果はというと…昨年の年次監査の指摘事項はすべて解除され、今回もいくつか指摘事項はあったものの重大な不適切事項はなく、適切な森林管理ができているというものでした。また、加工・流通まで含めてFSC®認証材の価値を高めていこうという岩泉町の取組みは、他の地域の認証取得者と比べても進んでいるということで、つくる会や㈱岩泉フォレストマーケティングの活動に高評価をいただくことができました。

(町有林にて現地審査)
 

FSC教材納品待ち

 FSC認証材を使った中学校技術家庭教材の追加加工分を検品・梱包しました。樹種は、前回分と同じカバ、ホウ、カラマツ、そして新たにクルミが加わりました。節やワレなど欠点の基準も安定して商品分類の所要時間も短縮、板を束ねるための梱包用のラップ巻き?…ストレッチフィルムのかけ方にも慣れてきました。が、さすが広葉樹、束ねてしまうとズッシリ重たいです…大切な教材に傷をつけないよう、自分の身体も痛めないよう気をつけながら扱っています。

(梱包済みで出荷待ちのFSC教材)
 

いわてグラフ

 県政広報誌『いわてグラフ』に、「岩泉の明日の林業をつくる会」を取り上げていただけることになり、取材を受けました。写真撮影は森の中で…との意向があり、ちゃぶ台、岩泉広葉樹×ユカハリ、中学校技術家庭FSC教材などを持って早坂高原へ…。
 早坂高原ビジターセンター内でインタビュー後、森の中で写真撮影…の予定でしたが、取材当日のセラピーロードは濃い霧がかかり幻想的な白の世界…で、撮影断念。

(ちゃぶ台、岩泉広葉樹×ユカハリを前につくる会の取組みをご紹介)
 
 撮影場所を探して釜津田方面へ向かうと、霧も薄くなり、比較的傾斜も緩やかな撮影ポイント発見!

(森の中で写真撮影)
 
 取材は無事?終了しました…が、その後さらに中学校技術家庭教材を実際に使っている授業風景の撮影を行えることになりました。森林コンダクターも撮影に同行し、授業参観させていただくことができました。
 この取材記事は、いわてグラフ8月号の「みんなの力で復興スクラム」のコーナーに掲載とのこと。どんな内容や写真が掲載されるのか…楽しみです。