岩泉型インターンシップ 3日目(8/22)

日曜日を挟んだインターンシップ3日目は、企業訪問(^^)
素材生産から加工まで林業・木材に関わる多様な事業体があるのが岩泉町の強みでもあります。
その多様性を知ってもらうために、今日は町内4か所の事業体をじっくりと訪問し、林業木材業界の経営者が何を課題ととらえているのか、仕事とは何か、地域ではたらくとは何かについて直球インタビュー(^^)

また、より実のある訪問とするため、インターンの学生には、次のことに注意するように指導しました。

1 興味を持って話を聞くこと
2 必ず質問をすること

 

企業訪問①:金寿恵運送有限会社============================

最初の訪問先、金寿恵運送有限会社は広葉樹の伐採を得意とする素材生産事業体です。

 

社長の話はとても興味深く、ついつい私も質問してしまいましたが^^; 学生の二人も社長の話に食いついていたのが印象的でした(^^)

ただ、やはり「人材不足」という課題は重いなーと改めて感じました。「将来の人材」である彼女たちはどんな気持ちで聴いたのかな?

最後に社長から大切なことを教訓としていただきました。
『食べて(食わせて)いかなきゃ生きていけない、そのために働く』
今の若い人たちに一番届いてほしい言葉であり、まさに「地域ではたらく」とは「地域で暮らす」です!(^^)

 

 

企業訪問②:トーア木材株式会社============================

企業訪問の2カ所目は、製材業を営むトーア木材株式会社さんです。
約3haの敷地面積を持つ町内で一番大きな製材所。

 

その取り組みも実にすばらしく、丸太をムダなく使い切る工夫と努力にいつも多くを学ばせていただいております。学生たちも、先ずは丸太の多さに感動しておりました(^^)

 

田鎖社長に工場内を丁寧に案内していただきました。
パレット製作、製材、製紙用チップ、木質バイオマス燃料用チップ、菌床しいたけ用おが粉(社長はオガパウダーと言ってました。屑ではない!と^^;)、バーク堆肥。。。さらに製材過程で出てくる端材は地域の方に薪としてリーズナブルなお値段で提供するなど、実に幅広く事業を手掛けていらっしゃいます。

経営者インタビューでは、学生の三浦優さんから社長にこんな直球が
「今までで一番苦しい想いをしたことは何ですか?そして、どのように乗り越えられましたか?」

この質問に社長は
「やっぱり、お金かな。社長になってすぐに色々あって多額の負債を背負うことに。その時に自分含め役員報酬の大胆なカットと従業員のリストラをやった。つらかったなー、何せみんな同じ地域の人だから行事で会うんだよ。PTAとかさ(苦笑い)」
「あとはケセラセラだよ!」

この話から学生の二人は何を感じてくれただろうか。
本当にいいお話が聞けました。

最後に、社長から学生に向けてこんな言葉をいただきました
『夢中になれることを見つけなさい』

田鎖社長!ありがとうございました(^^)

 

企業訪問③:清水畑商事有限会社============================

まだまだ続く企業訪問(^^)
3カ所目も製材業を営む清水畑商事有限会社さんです。
今回の訪問で私も初めて知ったことがあったのですが、ずーっと不思議に思っていた社名について。
なんで「商事」なんだろう?
実は、今の製材を行う前は、木炭や枕木、坑木などを関東圏に移出する業者だったからだそうです!

 

先ずは工場内を社長に案内していただきましたが、ここでも本当に丁寧に案内していただき、機械の操作や設定などについても実演を交えて詳しく説明していただきました。

社長の話を真剣にメモを取りながら聴く二人の学生の姿に、今回のインターンシップに高いモチベーションで参加しているなと、あらためてブラボーと言いたい(^^)

 

田鎖社長(トーア木材の社長と同姓です)への経営者インタビューでは実に興味深いお話がありました。
「昔は地域に大工が多くいて、一本の木から家を建てるのに必要な部材を無駄なく製材して使ってもらえた」

この言葉からは色々なことが見えてくるように思います。
今の製材業の課題であったり、地域全体の課題であったり、木材産業の課題であったり。

最後に社長から学生に向けて次の言葉をいただきました。
『何でもいいので夢中になれることを持ちなさい』
なんとも偶然ですが、トーア木材の田鎖社長と清水畑商事の田鎖社長、同じことを学生に伝えてくれました。
それほどにこの言葉には意味があると言う事なのでしょうか(^^)

若者よ夢中になれ!!

企業訪問④:新北菱林産株式会社岩泉工場=======================

 

企業訪問の最後は製紙用の広葉樹チップを生産している新北菱林産株式会社岩泉工場さんです。
新北菱林産㈱さんの工場には岩泉町で生産された広葉樹のほとんどが搬入されており、様々な広葉樹原木を見ることが出来ます(^^)
また、新北菱林産㈱さんも吉本㈱さん同様、自社林と工場の両方でFSC®森林認証を取得されています!
「FSC×広葉樹」原木は全国的にも珍しく、IWAIZUMI forestの大きな柱でもあります。

 

芦久保工場長に現場を案内していただき、迫力のあるチップ製造工程をじっくりと見学することができました。また、これだけの広葉樹が集まる場所は全国的にもそうそうないことから二人の学生も大量に積み上げられた広葉樹原木に驚いていました(^^)

 

経営者インタビューでは、広葉樹原木が年々減少傾向にあり大きな課題だとのお話がありました。広葉樹原木の生産が振るわない要因は様々ありますが、大きな要因に「人材不足・高齢化」があるとのことでした。

最後に、工場長から学生に向けて次の言葉をいただきました。
『自分の身の安全は自分で守ること』

当たり前と言っては当たり前ですが、社会人として仕事をしていくうえで重要なことですよね。また、この「身の安全」には物理的な意味合いだけでなく精神的な意味合いが含まれていました。すごく深いです!

芦久保工場長、お忙しいところありがとうございました<(_ _)>

 

学生の二人には、岩泉地域の抱える課題と、社会人としての心構えへの気づきがあったのではないでしょうか。

 

(町役場 今村)