森林コンダクター月報(2018年9月版)

樺剥ぎ@田野畑村

 つくる会サポーター会員・田野畑村の金子さん施業中の山で樺剥ぎ。樺(カバ)…といっても、白樺などカバノキ属の木ではなく、ヤマザクラの樹皮の採取です。木が多くの水分を含んでいる時期しか樹皮がきれいに剥がれないため、夏のこの時期限定の作業です。

(まずは樺剥ぎについて説明)
 
 早稲田大学公認サークル「思惟の森の会」の合宿が田野畑村で行われており、ワークショップ形式で樺剥ぎ体験作業をしてもらいました。しかもサークル50周年とのことで、田野畑村役場の広報担当の方も同行して写真撮影。集合写真が、広報「たのはた」10月1日号に掲載されました。

(ナイフの入れ方や剥き方を実演)
 
 立木のまま樹皮を剥いでもそれが一部ならば木は枯れず、樹皮はまた再生しますが、今回はチップ向けに伐倒することが前提であったため、できる限り広範囲の樹皮を採取しました。採取した樹皮は、しっかりと乾燥させてから樺細工の材料として使われます。

(大きさをそろえます)
 
 

情報誌vol.6

 岩泉の森の今を伝える情報誌「IWAIZUMI FOREST」の第6号を作成しました。中面の会員紹介には、(株)吉本岩泉事業所・所長由井正宏様、新北菱林産(株)岩泉工場・工場長芦久保吉徳様と佐藤真太朗様にご協力いただきました。8月下旬には取材を終え、集めていた素材をもとに原稿作成作業を行いました。2社ともFSC®認証取得事業者、町内外に本社・事業所があるという共通点があり、またお三方それぞれのお話も興味深く、楽しめる内容になっているのでは…と思います。
 情報誌は会員の皆さまに配布しておりますが、中面の会員紹介「岩泉の森の人にきく」のコーナーは、当ブログでも今後掲載予定です。

(情報誌第6号表紙)
 
 

燻製実験

 10月に予定されている商談会にてスモークチップを出品すべく、試食用燻製調理の実験を行いました。ナラとサクラ2種類のスモークチップを使い、食材は地元産のものということで、(株)岩泉乳業製のチーズと小本産「たこ」の燻製を作りました。

(燻製実験準備中)
 
 食べ比べてみると香りや味わいの違いがわかり、使う食材やそれぞれの好みに応じてチップの種類も使い分けると、燻製をより楽しめそうです。商談会に向けて…は、実際に試食として提供するには要検討課題がちらほら…。

(写真では伝わらないこの香り…)
 
 そして、当日午前中に訪問した事業者さんからいただいた川魚も燻製に…。火を起こして炭火で…と大がかりにやらず、カセットコンロなどでも意外と手軽に燻製ができます。ぜひお試しください。

(いただいた川魚の燻製)
 
 

FSC®認証材を使った中学校技術家庭教材

 8月の出展に引き続き、9月は第53回岩手県中学校技術・家庭科教育研究大会久慈大会ということで、久慈中学校で開催された岩手県内の技術・家庭の先生方が一堂に会する研究会に出展させていただきました。現在販売中の教材のほか、異なるサイズ・枚数で販売検討中のセットによる試作品展示や複数樹種の小片のサンプル配布をしました。

(会場の久慈市立久慈中学校体育館)
 
 切断や釘の下穴開け作業で広葉樹の硬さを気にされるご意見もありましたが、FSC®認証材の使用、持続可能な社会に向けての取組みに賛同していただくこともでき、先生方と直接お話・情報交換ができる貴重な機会となりました。

(5樹種の教材、試作品、配布用サンプルなどを展示)
 
 

小本浜定期市

 毎月最終日曜日に浜の駅おもと愛土館で行われている小本浜定期市、第6回となる今回はオープン1周年ということで『愛土館開業一周年記念感謝祭』として盛大に催されました。今回も(株)岩泉フォレストマーケティングとしての出店はありませんでしたが、つくる会事務局を置く町役場農林水産課林業水産室員の皆さんとスタッフとしてお手伝いしました。

(小本こども園の園児みなさんからお遊戯披露と贈り物)
 
 台風24号接近によるあいにくの雨のため、中野七頭舞中止など一部プログラム変更もありましたがしたが、多くの方々にご来場いただき大変賑わいました。

(感謝祭の締めは餅まきです)
 
 森は海の恋人…ということで、小本浜定期市のお手伝いや出店で、小本浜漁協の皆さんとも顔なじみになりつつある森林コンダクターでした。