森林コンダクター月報(2018年7月版)

第2回勉強会

 H30年度つくる会第2回勉強会が開催されました。
 講師として林野庁森林整備部計画課企画班・森林計画官の近藤美由紀様をお招きして、「森林環境税(仮称)及び新たな森林管理システムについて」ということでご講演いただきました。前日には盛岡で岩手県全体向けの説明会が開催済みにもかかわらず、なんと岩泉町での個別開催をご快諾いただくことができました。

(平成30年度 つくる会第2回勉強会)
 
 この度施行される森林環境税(仮称)ですが、もとは30年以上前になされた要望から始まっており、ようやく実現した画期的税制であるということでした。使途は「森林整備及びその促進に関する費用」の範囲内において、市町村の裁量で事業が幅広く弾力的に実施できるということです。森林コンダクターのアイディアも、今後町の事業として展開され、(株)岩泉フォレストマーケティングが実施する…という可能性も。
 また、森林経営管理制度(新たな森林管理システム)の導入によって、所有者不明など手入れのできていない森林について大規模集約化が進み、大規模皆伐など粗い施業が横行するのではないか…という懸念もありますが、岩泉町においてはFSC認証により第三者の審査が行われるため、森林の適切な経営管理が継続されることが期待されます。

(林野庁森林整備部計画課企画班・森林計画官 近藤美由紀様)
 

オフィシャルグッズ

 つくる会オフィシャルグッズのポロシャツが、ついに完成しました。6月下旬に配布した注文用紙が、つくる会町内メンバーや役場各部署などから提出され、とりまとめ発注、そして初回分の配布・納品が完了しました。その枚数は…予想を上回る200着以上!!
 ポロシャツ本体の色とマークの組み合わせで計6種類の販売ですが、一番人気は本体黒×マーク青(第一楽章:森の生き物)でした。役場ほか町内外の至る所でIWAIZUMI Forestマーク入りのポロシャツ姿に会える岩泉の夏になりそうです…。
 オンラインショップでの販売開始も準備中です。もう少々お待ちください。

(仕事着にポロシャツ着用の役場職員の皆さん)
 

木工作業

 (株)岩泉フォレストマーケティングの事務所をお借りしている集工社さんの工場にて、木工品の製作を行いました。端材活用のための製品試作、龍泉洞夏まつり出店に向けた商品やオンラインショップで取り扱い予定の新商品の製作、さらには作っているうちに湧いてくる新たなアイディアも…。新商品は順次オンラインショップで公開予定です。
 ちなみに、木工に興味がある、木工を本格的に始めたい…という方には岩泉の家具職人さんが運営しているみちのく木工塾もおススメです。

(集工社さんの工場にて作業中)
 

龍泉洞夏まつり

 まつりの開始時間にはすでに気温30℃を超える快晴の15日(日)に、2年ぶりとなる龍泉洞夏まつりが開催され、軽トラマルシェに(株)岩泉フォレストマーケティングとして出店しました。広葉樹MIXちゃぶ台、岩泉17樹ポストカード、てーだぶ(TW)グッズにハンドメイドの木工品など、オンラインショップでは未公開の新商品も含めての販売でした。
 ご購入いただけたのは、数名のお客様に木工品をいくつかのみでしたが、「つくる会」の活動や(株)岩泉フォレストマーケティングのPRという最低限の目的は達成…ということで。ご来場の皆さまに、岩泉町産の様々な樹種を使った広葉樹製品を見て触れていただくことができました。今後も広葉樹製品等の販売とともに岩泉の取組みを町内外に周知してもらうような活動を行っていきます。

(軽トラマルシェ出店)
 

FSC教材

 FSC認証材を使った中学校技術家庭教材の開発ですが、発案者である先生が盛岡開催の技術教育研究会にて、この取り組みを報告するということで打合せを行いました。研究会では展示ブースも作られるとのことで、教材の板そのもののほか、教材の板を使って展示用の作品を制作しました。が、天板の方向、釘の位置や本数などが間違っており、その後手直しをすることに…。

(6樹種を使用した展示用作品の試作)
 
 技術教育研究会の第51回全国大会ということで、FSC森林認証について知っていただくとともに、複数樹種の広葉樹を参加者の先生方に見ていただき、こうした取り組みが全国の教育現場に知れ渡る…かもしれない機会となりそうです。

(FSC教材を使った授業の取材に同行)
 

岩泉高校KIZUKIプロジェクト

 県立岩泉高校の地域の課題を探求する「KIZUKIプロジェクト」のインタビューを受けました。岩泉高校の2年生5名の生徒の皆さんが、(株)岩泉フォレストマーケティングを訪ねてくださいました。岩泉の林業全般についてや担い手不足の問題についてなど、あらかじめ考えてきてくれた質問に答える形でお話をしました。5名の中にはつくる会会員事業者のお孫さんも含まれてはいましたが、林業の現場をまったく見たことがないという生徒さんもいました。森林に囲まれて暮らしている岩泉町の子どもたちであっても、山の仕事を知っているわけではなく、子どもの頃から林業をもっと身近に感じてもらうような体験や取組みの必要性を気づかされた「KIZUKIプロジェクト」受け入れでした。

(熱心に説明を聞く岩泉高校の生徒さんたち)
 

おまけ

「岩泉の製材所」図書資料展
 町立図書館で7月30日(月)まで開催されていた「岩泉の製材所」図書資料展を覗いてみました。岩泉の林業や木材業の歴史、かつて木炭生産で栄えた時代の様子、つくる会会員の各製材所の前身となる事業所の様子など貴重な写真や資料、また、当時の製材所チームの野球のユニフォームなど…数多くの展示やわかりやすくまとめられた資料など大変興味深く拝見しました。復興支援ちゃぶ台に関する新聞記事も掲示されていました。IWAIZUMI Forest…FSC×広葉樹で新たな歴史を刻みます。

(「岩泉の製材所」図書資料展)